「猫」石田孫太郎著

公開日: 更新日:

 明治43年に出版された猫百科。「家畜として愛養さるる動物の中に猫ほど残酷なる批評を受けているものはない」と憤慨した著者が、その汚名をそそぐべく猫の魅力を存分に語りつくした近代日本初の猫本。

 当時、猫の第一の仕事はネズミを捕ること。本書刊行の2年前にはコッホが来日し「ペスト撲滅のために一家に一匹、鼠退治用の猫を飼うべし」と奨励している。そのネズミ捕りの巧拙と毛色の関係や、猫の眠りが浅いのはなぜか、そして猫の行動と天気の関係など、猫の基礎知識や生態を解説。他にも、貧乏魚屋の主人の枕元に小判をくわえてきた猫などの美談から、漱石に対抗するかのように書かれた猫小説まで。猫愛が詰まった幻の名著の復刻。(河出書房新社 660円+税)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    横浜流星「べらぼう」ついに8%台に下落のナゼ…評価は高いのに視聴率が伴わないNHK大河のジレンマ

  4. 4

    ドジャース佐々木朗希「今季構想外」特別待遇剥奪でアリゾナ送還へ…かばい続けてきたロバーツ監督まで首捻る

  5. 5

    中日・中田翔がいよいよ崖っぷち…西武から“問題児”佐藤龍世を素行リスク覚悟で獲得の波紋

  1. 6

    元横綱白鵬が突然告白「皇帝の末裔」に角界一同“苦笑”のワケ…《本当だったらとっくに吹聴しています》

  2. 7

    元横綱白鵬 退職決定で気になる「3つの疑問」…不可解な時期、憎き照ノ富士、親方衆も首を捻る今後

  3. 8

    阿部巨人の貧打解消策はやっぱり助っ人補強…“ヤングジャイアンツと心中”の覚悟なし

  4. 9

    山本舞香は“ヤンキー”より“令嬢”がハマる?「波うららかに、めおと日和」《ふかふみコンビ》で人気急上昇

  5. 10

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも