「結婚クライシス」山田昌弘氏

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 今の自分の生活は、そこそこ中流だと思いたい。なんとかやっていけている暮らしを変えたくない、転落したくない――と思うのが「中流転落不安」だ。

 若者の間にも、この感覚が根深く広がっている。それが男女交際の不活発化、ひいては未婚化・少子化につながる。結婚は中流から転落するリスクが高いとされ、まさに結婚クライシス(危機)に陥る時代なのだ。

「この根底にあるのは、世間体を気にする日本人の性質です。収入が高い男性でないとイヤだとか、周りから見て恥ずかしい生活はイヤだというのも、世間体重視だからこそ。自分だけが周囲と違うのはイヤで、多数派に属さなければ損という意識も強すぎます。経済が右肩上がりの時代はそれでもよかったけれど、不景気になった途端、世間体社会の悪い面が一気に出てきてしまいましたね」

 結婚や家族にまつわる社会現象をつぶさに分析してきた著者が、新聞連載に加筆し、まとめたのが本書だ。社会保障や新卒一括採用、働き方など、日本における悪しき慣習や問題点も舌鋒鋭く論じるが、特に結婚については苦言を呈する。

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