「活断層地震はどこまで予測できるか」遠田晋次著
昨年の熊本地震では、大きな「余震」の後に起きた「本震」によって多くの被害が出た。余震は本震よりも規模が小さいという「刷り込み」が災いしたのだ。しかし、余震活動は地震の誘発現象そのもので、「本震」の近くに大きな地震を起こす断層が存在すれば、「本震」と同規模かそれを上回る地震が起きることが、近年の研究で明らかになっていたという。
日本列島で推定・確認された活断層は2000以上に及び、それらは複雑に影響し合っている。本書は、記憶にも新しい熊本地震など、多くの事例を取り上げながら、活断層と直下型地震のメカニズムや、活断層から地震規模を予測する方法などを、最新の研究成果を踏まえ解説したサイエンステキスト。(講談社 960円+税)