連日注目を集める小池知事の「劇場政治」に迫る

公開日: 更新日:

「東京都政の真実」鈴木哲夫著

 東京都庁舎の正面玄関に連日レンズの放列を敷くマスコミ各社。小池都知事になって見られるようになった「出待ち」の光景だという。大手マスコミは「注目の存在だからだ」というが、その注目自体がもとはマスコミがつくり上げたもの。つまり「小池劇場」は大手マスコミを手玉にとった都知事側の“作戦勝ち”の成果なのだ。

 地方局から東京キー局、BS、MX(メトロポリタンTV)までテレビジャーナリズムの現場で四半世紀になるという政治ジャーナリストの著者は、舛添降ろしに始まって都知事選の圧勝、都議会との確執、都庁官僚組織との暗闘、そして五輪や豊洲問題などまで、小池都政の裏側を次々と明らかにしてゆく。

 東京は大都会だが、都政問題の報道は新聞の都内版が中心。それゆえ都政の問題点は都庁・都議会とも陰に隠れがちだった。その隙を突いたのが小泉元総理ゆずりの「小池劇場」だったというわけだ。本来“エコ五輪派”のバッハIOC会長を巧みにとりこんだ森喜朗五輪組織委会長との暗闘など、一般人の知り得ない話題を巧みに紹介。(イースト・プレス 1400円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志氏はパチプロ時代の正義感どこへ…兵庫県知事選を巡る公選法違反疑惑で“キワモノ”扱い

  2. 2

    タラレバ吉高の髪型人気で…“永野ヘア女子”急増の珍現象

  3. 3

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 4

    中山美穂さんの死を悼む声続々…ワインをこよなく愛し培われた“酒人脈” 隣席パーティーに“飛び入り参加”も

  5. 5

    《#兵庫県恥ずかしい》斎藤元彦知事を巡り地方議員らが出しゃばり…本人不在の"暴走"に県民うんざり

  1. 6

    シーズン中“2度目の現役ドラフト”実施に現実味…トライアウトは形骸化し今年限りで廃止案

  2. 7

    兵庫県・斎藤元彦知事を待つ12.25百条委…「パー券押し売り」疑惑と「情報漏洩」問題でいよいよ窮地に

  3. 8

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 9

    大量にスタッフ辞め…長渕剛「10万人富士山ライブ」の後始末

  5. 10

    立花孝志氏の立件あるか?兵庫県知事選での斎藤元彦氏応援は「公選法違反の恐れアリ」と総務相答弁