【難民問題】 欧州をはじめ世界を揺るがす難民問題に迫る

公開日: 更新日:

「シリア難民」パトリック・キングズレー著、藤原朝子訳

 およそ450万人に上るシリア難民。といってもにわかにはピンとこないかもしれない。かつてシリアの人口は約2200万人。内戦でその半分が家を追われ、さらにその半分弱が国を追われたことになる。しかし、子どもや家族の未来を守る唯一の選択肢はそれしかなかったのである。

 平凡なシリアの水道局員だったハーシムは体制派の暴虐への反対デモに参加したという理由で逮捕・勾留の上、拷問にかけられる。それを何とか逃れたハーシムは苦労の末、国外に脱出し、スウェーデンを目指す。単身の冒険行だが、成功すれば妻と3人の子どもを呼び寄せられる。しかしその行く手には苦難の道が……。著者は英「ガーディアン」紙初の移民専門ジャーナリスト。27歳の若きジャーナリストによる渾身のルポ。(ダイヤモンド社 2000円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁「キャスター」視聴率2ケタ陥落危機、炎上はTBSへ飛び火…韓国人俳優も主演もとんだトバッチリ

  2. 2

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  3. 3

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  4. 4

    永野芽郁「二股不倫」報道でも活動自粛&会見なし“強行突破”作戦の行方…カギを握るのは外資企業か

  5. 5

    周囲にバカにされても…アンガールズ山根が無理にテレビに出たがらない理由

  1. 6

    インドの高校生3人組が電気不要の冷蔵庫を発明! 世界的な環境賞受賞の快挙

  2. 7

    三山凌輝に「1億円結婚詐欺」疑惑…SKY-HIの対応は? お手本は「純烈」メンバーの不祥事案件

  3. 8

    永野芽郁“二股不倫”疑惑「母親」を理由に苦しい釈明…田中圭とベッタリ写真で清純派路線に限界

  4. 9

    佐藤健と「私の夫と結婚して」W主演で小芝風花を心配するSNS…永野芽郁のW不倫騒動で“共演者キラー”ぶり再注目

  5. 10

    “マジシャン”佐々木朗希がド軍ナインから見放される日…「自己チュー」再発には要注意