「最果ての街」西村健著

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 最果ての街とは、東京のドヤ街がある通称「山谷」地区のこと。

 ある日、山谷堀公園でホームレスの殺人事件が起こった。被害者は山谷地区にいた日雇い労働者で、職安の登録から名前だけはわかった。だが、身元がわからず、遺族が現れなければ無縁仏として葬られるしかない。警察は本気で身元捜査をする気配もないのだ。

 かつて、自らの不誠実で山谷の住人たちに不幸を生んでしまった負い目を持つ主人公の深恒宣泰・山谷労働出張所所長は、自力ででも被害者の親族を探し出そうと決心した。そして、ついに被害者の出身地と意外な過去が明らかにされていく。

 2014年に大藪春彦賞を受賞している著者が、現代の根なし草が最後に行きつく場所の人間ドラマを描いた社会派長編ミステリー。(角川春樹事務所 1600円+税)

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