「囚われの島」谷崎由依著

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 母に憎まれて育った新聞記者の静元由良は、なじみのバーから流れてくるピアノの音に引かれた。弾いていたのは盲目の調律師・徳田俊。ある日、由良は俊の後をつけて彼の家に行く。俊は家でなぜか蚕を飼っていた。その部屋で由良は繰り返し見る夢の話をした。独り舟に乗って島に運ばれていく夢を。

 俊は「あなたの見ている夢は、ぼくの夢です」という。俊は、自分が閉じ込められている島に小舟が近づいてくる夢を見て、いつかその夢に殺されると思っていた。由良がやってきたとき、とうとう夢に追いつかれたのだと……。

 2人の夢はある閉ざされた島の物語とつながっていた。心に闇を抱えて生きる男と女の「救い」を描く。(河出書房新社 1600円+税)

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