「知られざる縄文ライフ」譽田亜紀子著 武藤康弘監修

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 貝塚はこれまでゴミ捨て場とされてきたが、土偶や装飾品、そして人骨も多数発掘されていることから、近頃では“送る儀式”の場であったと推測されている。縄文人にはモノに宿る命を大切にする文化があり、役目を終えたものを貝塚に納めて天に返す儀式を行っていたと考えられるのだ。

 縄文時代には犬が単なる狩猟の道具ではなく、現代と同じく大切なパートナーだったかもしれない。その証拠に、遺跡から発掘される犬の骨は全身揃うことが多く、これは人の手できちんと埋葬されたことの証拠。人と一緒に埋葬されているケースも少なくないそうだ。

 “未開”のイメージが強い縄文人だが、実際には驚くほど創造性に富み、文化的な生活をしていたことを本書は明らかにしていく。(誠文堂新光社 1500円+税)

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