「知られざる縄文ライフ」譽田亜紀子著 武藤康弘監修

公開日: 更新日:

 貝塚はこれまでゴミ捨て場とされてきたが、土偶や装飾品、そして人骨も多数発掘されていることから、近頃では“送る儀式”の場であったと推測されている。縄文人にはモノに宿る命を大切にする文化があり、役目を終えたものを貝塚に納めて天に返す儀式を行っていたと考えられるのだ。

 縄文時代には犬が単なる狩猟の道具ではなく、現代と同じく大切なパートナーだったかもしれない。その証拠に、遺跡から発掘される犬の骨は全身揃うことが多く、これは人の手できちんと埋葬されたことの証拠。人と一緒に埋葬されているケースも少なくないそうだ。

 “未開”のイメージが強い縄文人だが、実際には驚くほど創造性に富み、文化的な生活をしていたことを本書は明らかにしていく。(誠文堂新光社 1500円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    「二股不倫」永野芽郁の“第3の男”か? 坂口健太郎の業界評…さらに「別の男」が出てくる可能性は

  3. 3

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  4. 4

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  5. 5

    坂口健太郎に永野芽郁との「過去の交際」発覚…“好感度俳優”イメージダウン避けられず

  1. 6

    大手家電量販店の創業家がトップに君臨する功罪…ビック、ノジマに続きヨドバシも下請法違反

  2. 7

    板野友美からますます遠ざかる“野球選手の良妻”イメージ…豪華自宅とセレブ妻ぶり猛烈アピール

  3. 8

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  4. 9

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  5. 10

    自民党総裁選の“本命”小泉進次郎氏に「不出馬説」が流れた背景