「図説 和菓子の歴史」青木直己著

公開日: 更新日:

 日本の文化と伝統が凝縮した和菓子の歴史をたどるテキスト。

 かつて菓子といえば果物や木の実のことだった。やがて、米や麦などの穀物を材料として菓子の原形といえる餅や団子が作られるようになった。7世紀、唐菓子の影響を受け、この原初的な形態に変化が表れ、和菓子の大成へと向かう。さらに鎌倉・室町時代に中国から点心がもたらされ、現在の羊羹(ようかん)や饅頭(まんじゅう)のもととなり、戦国時代にヨーロッパ諸国とつながると、砂糖を大量に使うカステラや金平糖などが作られるようになった。そして江戸時代の鎖国体制の中、和菓子は日本の独自の嗜好品として完成していったという。儀礼や茶の湯など和菓子の文化的側面にもスポットを当てながら、その歴史を俯瞰(ふかん)する。

(筑摩書房 1200円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  2. 2

    帝釈天から始まる「TOKYOタクシー」は「男はつらいよ」ファンが歩んだ歴史をかみしめる作品

  3. 3

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  4. 4

    高市政権の物価高対策はもう“手遅れ”…日銀「12月利上げ」でも円安・インフレ抑制は望み薄

  5. 5

    立川志らく、山里亮太、杉村太蔵が…テレビが高市首相をこぞってヨイショするイヤ~な時代

  1. 6

    (5)「名古屋-品川」開通は2040年代半ば…「大阪延伸」は今世紀絶望

  2. 7

    森七菜の出演作にハズレなし! 岡山天音「ひらやすみ」で《ダサめの美大生》好演&評価爆上がり

  3. 8

    小池都知事が定例会見で“都税収奪”にブチ切れた! 高市官邸とのバトル激化必至

  4. 9

    西武の生え抜き源田&外崎が崖っぷち…FA補強連発で「出番減少は避けられない」の見立て

  5. 10

    匂わせか、偶然か…Travis Japan松田元太と前田敦子の《お揃い》疑惑にファンがザワつく微妙なワケ