「秋霧」大倉崇裕著

公開日: 更新日:

 元私立探偵で、今は東京の月島で便利屋をやっている倉持。その彼が財界の大物、上尾から奇妙な依頼を受けた。入院中の上尾に代わって八ケ岳にある天狗岳に登り、その行程をビデオに収めて欲しいというのだ。妙な頼みと思いつつも倉持は引き受けるが、登山中に不審な動きを感じていた。東京に戻ると、倉持の留守中に家が放火され、登山で知り合った若い男が焼死する。ひょっとすると上尾の依頼と関係しているのでは?

 一方、元自衛隊特殊部隊員の深江は、警視庁の儀藤から過去のいくつかの殺人事件に関与している殺し屋「霧」の追跡を依頼される。すぐに動き出す深江だが、それを待ち受けていたかのように何者かの襲撃を受け、さらには奥多摩で「霧」によると思われる新たな犯行を目撃する……。

 倉持と深江は独自に自分たちが巻き込まれている事件を調査していくが、あるときその2つが交差し、事件の全容が明らかになる。

 山岳を舞台に、プロフェッショナル同士の激烈な死闘を描いたハードボイルドサスペンス。

(祥伝社 1600円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    映画「国宝」ブームに水を差す歌舞伎界の醜聞…人間国宝の孫が“極秘妻”に凄絶DV

  2. 2

    「時代と寝た男」加納典明(22)撮影した女性500人のうち450人と関係を持ったのは本当ですか?「それは…」

  3. 3

    国分太一は会見ナシ“雲隠れ生活”ににじむ本心…自宅の電気は消え、元TBSの妻は近所に謝罪する事態に

  4. 4

    TOKIO解散劇のウラでリーダー城島茂の「キナ臭い話」に再注目も真相は闇の中へ…

  5. 5

    中島歩「あんぱん」の名演に視聴者涙…“棒読み俳優”のトラウマ克服、11年ぶり朝ドラで進化

  1. 6

    慶大医学部を辞退して東大理Ⅰに進んだ菊川怜の受け身な半生…高校は国内最難関の桜蔭卒

  2. 7

    投手大谷の「オープナー起用」は逆効果…ド軍ブルペンの負担は軽減どころか増す一方

  3. 8

    "花田家と再婚"は幸せになれる? 元テレ東・福田典子アナに花田優一との熱愛報道も…恋多き一族の因縁

  4. 9

    ソシエダ久保建英にポルトガル名門への移籍報道…“あり得ない振る舞い”に欧州ザワつく

  5. 10

    「コンプラ違反」で一発退場のTOKIO国分太一…ゾロゾロと出てくる“素行の悪さ”