「秋霧」大倉崇裕著

公開日: 更新日:

 元私立探偵で、今は東京の月島で便利屋をやっている倉持。その彼が財界の大物、上尾から奇妙な依頼を受けた。入院中の上尾に代わって八ケ岳にある天狗岳に登り、その行程をビデオに収めて欲しいというのだ。妙な頼みと思いつつも倉持は引き受けるが、登山中に不審な動きを感じていた。東京に戻ると、倉持の留守中に家が放火され、登山で知り合った若い男が焼死する。ひょっとすると上尾の依頼と関係しているのでは?

 一方、元自衛隊特殊部隊員の深江は、警視庁の儀藤から過去のいくつかの殺人事件に関与している殺し屋「霧」の追跡を依頼される。すぐに動き出す深江だが、それを待ち受けていたかのように何者かの襲撃を受け、さらには奥多摩で「霧」によると思われる新たな犯行を目撃する……。

 倉持と深江は独自に自分たちが巻き込まれている事件を調査していくが、あるときその2つが交差し、事件の全容が明らかになる。

 山岳を舞台に、プロフェッショナル同士の激烈な死闘を描いたハードボイルドサスペンス。

(祥伝社 1600円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    農水省「おこめ券」説明会のトンデモ全容 所管外の問い合わせに官僚疲弊、鈴木農相は逃げの一手

  2. 2

    早瀬ノエルに鎮西寿々歌が相次ぎダウン…FRUITS ZIPPERも迎えてしまった超多忙アイドルの“通過儀礼”

  3. 3

    2025年ドラマベスト3 「人生の時間」の使い方を問いかけるこの3作

  4. 4

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  5. 5

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  1. 6

    大炎上中の維新「国保逃れ」を猪瀬直樹議員まさかの“絶賛” 政界関係者が激怒!

  2. 7

    池松壮亮&河合優実「業界一多忙カップル」ついにゴールインへ…交際発覚から2年半で“唯一の不安”も払拭か

  3. 8

    維新の「終わりの始まり」…自民批判できず党勢拡大も困難で薄れる存在意義 吉村&藤田の二頭政治いつまで?

  4. 9

    日本相撲協会・八角理事長に聞く 貴景勝はなぜ横綱になれない? 貴乃花の元弟子だから?

  5. 10

    SKY-HI「未成年アイドルを深夜に呼び出し」報道の波紋 “芸能界を健全に”の崇高理念が完全ブーメラン