「こわいもの知らずの病理学講義」仲野徹著

公開日:  更新日:

 本物の情報や知識こそ興味深くておもしろく、ためになる――。それが実感できる一冊。著者は大阪大学医学部病理学教授で普段、受験エリートだった医学生相手の講義の内容を近所のおっちゃん、おばちゃんに読ませるつもりで書いたというだけあってグイグイひきつけられる。

 医学部の基礎的教科書を下敷きにしているだけに細胞とは何かから始まり、がんの成り立ちや損傷、血液学やDNAについてもやさしく解説している。臨床医ならなかなか口にできない、がんは撲滅できない、老化は止められないなど、ともすればバラ色に見える医学の限界についてもさらりと書いている。

 欧米の一流大学教授の「白熱教室」が話題になったが、日本の医学部教授の授業もひけを取らないと思わせてくれる。健康・医療に関心のある人は一度は手にすべき本だ。

(晶文社 1850円+税)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のBOOKS記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    安倍官邸“大号令”か 厚労省「実質賃金上昇率」水増し工作

  2. 2

    「誰のおかげで飯食ってんだよ」同年代アイドルの怒声に…

  3. 3

    引退の稀勢の里を支える“太いタニマチ”と6000万円の退職金

  4. 4

    CM中止で加速…NGT48イジメの構図と暴行事件の“犯人”探し

  5. 5

    前のめり安倍首相に露が食わす「条文作成」の毒まんじゅう

  6. 6

    専門医は「説明不能」…米11歳少女の悪性脳腫瘍が消えた!

  7. 7

    仏捜査のJOC会長の長男 竹田恒泰氏“父擁護”のトンデモ発言

  8. 8

    「史上最弱横綱」稀勢の里を生んだ“機能不全”横審の大罪

  9. 9

    NGT48メンバーは自宅に男が 地方アイドルが苦しむジレンマ

  10. 10

    安倍首相の「フェイク発言」を追及しない本土のマスコミ

もっと見る