「こわいもの知らずの病理学講義」仲野徹著

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 本物の情報や知識こそ興味深くておもしろく、ためになる――。それが実感できる一冊。著者は大阪大学医学部病理学教授で普段、受験エリートだった医学生相手の講義の内容を近所のおっちゃん、おばちゃんに読ませるつもりで書いたというだけあってグイグイひきつけられる。

 医学部の基礎的教科書を下敷きにしているだけに細胞とは何かから始まり、がんの成り立ちや損傷、血液学やDNAについてもやさしく解説している。臨床医ならなかなか口にできない、がんは撲滅できない、老化は止められないなど、ともすればバラ色に見える医学の限界についてもさらりと書いている。

 欧米の一流大学教授の「白熱教室」が話題になったが、日本の医学部教授の授業もひけを取らないと思わせてくれる。健康・医療に関心のある人は一度は手にすべき本だ。

(晶文社 1850円+税)

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