「ヤングケアラー」澁谷智子著
ヤングケアラーとは、家族にケアを必要としている人がいるために、家事や家族の世話などを行っている18歳未満の子供のこと。英国では30年前から彼らの支援へ動き出しているという。一方の日本は、社会保障制度を持続可能にするため、在宅福祉を充実させる方針。少子高齢化で人手不足が進む中、若者や子供までが介護やケアに動員される現実は、今後ますます増えていくと予想される。こうしたヤングケアラーに対しては、健やかな成長と教育の機会を保障した上で、介護者としての部分をサポートしていかなければならない。
本書は、ヤングケアラーの現状、日本や英国での取り組みなどを紹介しながら、人口減少時代の家族とケアのあり方について考える。
(中央公論新社 800円+税)