「17×63 鷹代航は覚えている」水生大海著

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 鷹代航はごく平凡な17歳の高校2年生。密かに漫画家を目指しているが、目立ちたくないという消極的な性格。同居している63歳の祖父・章吾は運悪く勤めていた会社をリストラされ、就活しながらジム通いをしているが、人望が厚い陽気なじいさんだった。

 ある夜、航は駅前の駐輪場で章吾が血を流して倒れているのを発見、慌てて近寄ると背後から衝撃を受け、気がつくとベッドの上。しかし、何かがおかしい。なんと航と章吾の体が入れ替わっていた。フツー、入れ替わるんだったらかわいい女の子とだろ、と憤慨する航だが、ともかく章吾を襲った犯人捜しをしなくてはならない。ところが章吾は事件の夜の記憶を失っている。仕方なく、章吾は航の代わりに高校へ通い、航は章吾として高校近くのコンビニに勤め、事件当日の状況を探ることに……。

 性格が正反対の祖父と孫が入れ替わることで、互いに欠けていた部分を補い合いながら、周囲で起こる問題を解決していくという趣向。入れ替わり物のニューウエーブ。

 (祥伝社 1400円+税)

【連載】週末に読みたいこの1冊

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