「与楽の飯 東大寺造仏所炊屋私記」澤田瞳子著

公開日: 更新日:

 真楯は、中央の官司で労役に当たる役夫として、故郷の近江から平城京に徴発される。真楯が配属されたのは、大仏造営が進められている造東大寺司だった。

 造仏所には、鋳造を間近に控えた盧舎那仏の「仏様」がすでにそびえ立っていた。

 しかし、奴婢の舎薩が台座の外型を壊したため工期に遅れが出る。厳しい労働の合間の唯一の楽しみは、炊屋の宮麻呂が作る三度の食事だ。宮麻呂は病気で伏せっている役夫にまで食事を届けさせる、優しい心の持ち主だった。ある夜、宮麻呂を手伝いウナギのわなを引き上げにいった真楯らは、造仏所に入り込んだ怪しい人影を目にする。(「山を削りて」)

 大仏造営に関わる人々の姿を、食を通して描く連作時代小説。

 (光文社 700円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    TBS「ラヴィット!」の“テコ入れ”に不評の嵐! グダグダぶりを楽しむ独自性損失で視聴者離れ加速危機

  2. 2

    「おい、おまえ、生意気なんだよ」 野村監督は俺の挨拶を“ガン無視”、暴れたろうかと考えた

  3. 3

    「オールスター感謝祭」で“ブチギレ説教” …島崎和歌子は今や「第2の和田アキ子」の域

  4. 4

    NHK朝ドラ「風、薫る」巻き返しを阻む“最大のネック”…見上愛&上坂樹里Wヒロインでも苦戦中

  5. 5

    米国とイランが2週間の停戦合意も日本は存在感ゼロ…お粗末すぎた高市外交を識者「完全失敗」とバッサリ

  1. 6

    スピードスケート引退・高木美帆にオランダが舌なめずり “王国復権の切り札”として白羽の矢

  2. 7

    高市政権が非情の“病人切り捨て”強行で大炎上! 高額療養費見直し「患者の意向に沿う」は真っ赤なウソ

  3. 8

    ブチ切れ高市首相が「誤報だ!」連発 メディア、官邸、自民党内…渡る政界は「敵ばかり」の自業自得

  4. 9

    JFAは森保一氏の“囲い込み”に必死 W杯後の「次の日本代表監督」のウワサが聞こえない謎解き

  5. 10

    『エニイ・タイム・アット・オール』1964年のジョンのギターを聴くだけで元気が出る