「ショートショート美術館」太田忠司、田丸雅智著

公開日: 更新日:

 小学生の「私」は、自分が属している場所や家族にどうしてもなじめなかった。冬の日、私は家に帰るときは右に曲がる交差点を左に曲がった。そして交差点に出るたびになじみの薄い方向に進んで、見知らぬ町に着いた。見上げると青空が見えるのに、町の中は夜のように暗い。薪が燃える暖炉の前で揺り椅子に座って編み物をしていた老女が私を家に招き入れた。温かいミルクを飲ませて「ここはずっとずっと夜が続く町だよ」と教えてくれた。「暗くても、ここは住みよい町だ。坊や、生きるのが辛かったんだろ?」。(「夜の町」/太田)

 ルネ・マグリット「光の帝国Ⅱ」など、10の名画をテーマに2人の作家が競作。

(文藝春秋 1700円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ前監督・吉井理人氏が佐々木朗希を語る「“返事もしなかった頃”から間違いなく成長しています」

  2. 2

    ロッテ前監督・吉井理人氏が大谷翔平を語る「アレを直せば、もっと良く、170kmくらい投げられる」

  3. 3

    矢沢永吉ライブは『永ちゃんコール』禁止で対策も…B'z『客の大熱唱』とも通じる“深刻な悩み”

  4. 4

    菊池風磨のカウコン演出に不満噴出 SNS解禁でSTARTO社の課題はタレントのメンタルケアに

  5. 5

    阿部監督のせい?巨人「マエケン取り失敗」の深層 その独善的な振舞いは筒抜けだった

  1. 6

    巨人ドラ1岡本和真 本塁打1本「小遣い1万円」に祖父母悲鳴

  2. 7

    「将軍 SHOGUN」シーズン2も撮影開始 2026年は柄本明、平岳大ら海外進出する日本人俳優に注目

  3. 8

    辰己涼介は楽天残留が濃厚 ソフトバンク東浜巨らFA行使“残り物”たちの気になる行方

  4. 9

    新大関・安青錦に追い風? 八角理事長が看破した横綱・大の里「左肩回復遅れ」

  5. 10

    ブルージェイズ岡本和真に「村上宗隆の2倍」の値段がついたカラクリ