「究極の疲れないカラダ」仲野広倫著

公開日: 更新日:

 中高年を過ぎると、「片足立ちで靴下がはけない」「体が硬くなってあぐらがかきにくい」などの症状に見舞われる人が増えてくる。そして、すべては“老化のせい”と考え、放置されるケースがほとんどだ。

 しかし、これらは「体の機能障害」であり、ちょっとしたエクササイズで改善は可能であると、米国政府公認カイロプラクティックドクターの著者は言う。なぜ機能障害が起きるのか。それは、間違った体の使い方や加齢によって、体のキャパシティー=機能運動性が低下するため。「最近、体力が落ちた」と感じるのも、機能運動性の低下が原因だ。

 機能運動性低下の対策として、やみくもに筋トレやジョギングなどをしても実はあまり意味がない。機能運動性とは、柔軟性(関節の可動域)、安定性(筋肉の強さ)、バランス(動きの協調性)の総合得点であり、体を動かしたいように動かせる能力のこと。この3つを強化することが機能運動性向上には不可欠であり、“なんとなく”の運動をどんなに行っても成果は表れにくい。

 本書では、1日数分でできる機能運動性回復エクササイズを紹介。片足立ちになり、股関節回りのとくに硬い部分を手で押しながら足を前後に振る「片足立ち筋肉リリース」は、左右1日3セット行えば柔軟性とバランスを高めるのに効果的だ。エクササイズの成果は自己判定も可能。壁に背中を付けて立ち、肩を90度まで上げて肘を曲げ、手の甲側の手首と小指を壁に付ける「壁立ち」や、「片足立ちバランス」などの機能運動性検査で、体の変化が分かるはずだ。

 動きやすく疲れにくい体が手に入れば、寝たきりなど将来の健康リスク軽減にもつながるだろう。

(アチーブメント出版 1300円+税)

【連載】長生きする読書術

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    白鵬のつくづくトホホな短慮ぶり 相撲協会は本気で「宮城野部屋再興」を考えていた 

  2. 2

    生田絵梨花は中学校まで文京区の公立で学び、東京音大付属に進学 高3で乃木坂46を一時活動休止の背景

  3. 3

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  4. 4

    佳子さま“ギリシャフィーバー”束の間「婚約内定近し」の噂…スクープ合戦の火ブタが切られた

  5. 5

    狭まる維新包囲網…関西で「国保逃れ」追及の動き加速、年明けには永田町にも飛び火確実

  1. 6

    和久田麻由子アナNHK退職で桑子真帆アナ一強体制確立! 「フリー化」封印し局内で出世街道爆走へ

  2. 7

    松田聖子は「45周年」でも露出激減のナゾと現在地 26日にオールナイトニッポンGOLD出演で注目

  3. 8

    田原俊彦「姉妹は塾なし」…苦しい家計を母が支えて山梨県立甲府工業高校土木科を無事卒業

  4. 9

    藤川阪神の日本シリーズ敗戦の内幕 「こんなチームでは勝てませんよ!」会議室で怒声が響いた

  5. 10

    実業家でタレントの宮崎麗果に脱税報道 妻と“成り金アピール”元EXILEの黒木啓司の現在と今後