「酒呑みに与ふる書」キノブックス編集部編

公開日: 更新日:

 ボードレールは、時の恐るべき重圧を感じないために、つねに酔うことが必要だ、葡萄酒に、詩に、または美徳に、なんでもあなたの好きなものに(井上究一郎訳)と詠んだ。

 中島らもは10代の頃から、自分自身も自分がその一隅を占めている世界も、醜悪で愚かで腐臭を放っていると考えて、憎み、呪っていた。酒の酔いはらもにとって、「自分の精神の欠落した部分にあつらえたようにぴったりとはまり込んで、空無のところを埋めてくれる」ことに気づいた。泥酔してぶっ倒れる瞬間は、夜ごとに訪れる小さな「ビッグ・バン」だったのだ。

 他に、角田光代、筒井康隆ら、45人が陶酔と覚醒について語った詩やエッセーなどを収載。

(キノブックス 1500円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元大食い女王・赤阪尊子さん 還暦を越えて“食欲”に変化が

  2. 2

    今の渋野日向子にはゴルフを遮断し、クラブを持たない休息が必要です

  3. 3

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  4. 4

    大食いタレント高橋ちなりさん死去…元フードファイターが明かした壮絶な摂食障害告白ブログが話題

  5. 5

    YouTuber「はらぺこツインズ」は"即入院"に"激変"のギャル曽根…大食いタレントの健康被害と需要

  1. 6

    大食いはオワコン?テレ東番組トレンド入りも批判ズラリ 不満は「もったいない」だけじゃない

  2. 7

    高市内閣の閣僚にスキャンダル連鎖の予兆…支持率絶好調ロケットスタートも不穏な空気

  3. 8

    「渡鬼」降板、病魔と闘った山岡久乃

  4. 9

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  5. 10

    高市早苗「飲みィのやりィのやりまくり…」 自伝でブチまけていた“肉食”の衝撃!