「日本が外資に喰われる」中尾茂夫著

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 バブル崩壊後、日本経済は「失われた30年」と呼ばれるほどの低迷が続く。その原因は1990年代に日本を揺るがせた不良債権問題にある。2002~03年、「不良債権処理なくば景気回復なし」と政府筋が号令。解決困難の不良債権問題は、日本の税金投入によって、「不良債権ビジネス」という外資系ファンドから見ると「蜜の味」に変貌したのである。その結果、数多くの日本企業の所有権が外資系に移り、株式市場においても海外投資家が圧倒的な存在感を放っている。 

 しかし、不良債権を処理しても結局、景気回復にはつながらなかった。時代の転換点となった、不良債権ビジネスに関わる政治経済の力学を追いながら、失われた30年をつくり出した外的要因の存在を明らかにする。

(筑摩書房 940円+税)



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