「(あまり)病気をしない暮らし」仲野徹著
現在では10万円以下で個人のゲノムを調べることができる。ゲノムを解析すれば、一種の突然変異ともいえる、ある遺伝子型を持っていると、持っていない人に比べ、糖尿病や高血圧などの病気に3~4割なりやすくなるということがわかる。それでより摂生に励めばいいが、そういう素因が低いと、逆に少し不摂生してもいいと考えてしまうリスクもある。ゲノムと疾患について詳細なことがわかってくると、ゲノム情報により生命保険の掛け金が変わる可能性もある。
イギリスの調査では、出生時の体重が低いほど心筋梗塞などの心血管系疾患による死亡率が高い。子宮内にいたときの飢餓状態が細胞に記憶され、体が「低栄養仕様」になるため普通の食事でも栄養過多になり、肥満や糖尿病になりやすくなるという。病理学教授が書いた究極の健康本。
(晶文社 1600円+税)