もっと本が楽しくなる読書術本特集

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「本は読んだらすぐアウトプットする!」 齋藤孝著

 活字中毒で本が手放せないという人でも、他の人がどんな本の読み方をしているのかについては意外と知らないもの。もっと読書を楽しむためにも、たまには他人の読書術をのぞいてみよう。今回は読書体験のアウトプット、スロー・リーディング、東大生お薦め本、幸福になるための本の読み方、読書の功罪をテーマにした5冊をご紹介!



 本好きを自称する人でも、読んだ内容をよく覚えていないという人は意外と多い。本書は読んだ内容をアウトプットすることによって、読書の効果を最大限にする方法を説いたもの。

 お勧めは、読書の「ライブ配信」。本を買ったら「いまこんな本を買ったよ」とツイートし、いいフレーズを見つけたら引用ツイート、1章読むごとに要約ツイートという具合に、読書体験をその都度SNSで配信してみるという方法は、記憶の定着にも発信力の強化にも効果抜群だ。

 さらに、企画書などのまとまった文を書く必要がある時は、資料本をただ読むのではなく、引用したい文を入力してからコメントを加えていく作業を繰り返すと、短時間でゴールが見えてくるのだとか。マネしたくなるワザの数々をぜひ実践してみよう。

(興陽館 1300円+税)

「本の読み方」 平野啓一郎著

 洪水のように押し寄せる新刊本の多さに圧倒される昨今、昔よりも数段に手に入れられる情報の量は増えている。しかし、それは私たちに知的な豊かさをもたらしているのだろうか。芥川賞作家の著者は、情報が供給過剰な今こそ、考え、立ち止まりつつ読むスロー・リーディングが必要だと説き、具体的に自分はどう読んでいるのか、自身の方法を本書で開示している。

 たとえば、「私はその人を常に先生と呼んでいた」という一文から始まる夏目漱石の「こころ」。小説の会話部分を拾ってみると、読者が抱く「先生とは何者か?」という疑問を代弁する形で、会話文が使われていることに気づかされる。著者の道案内を頼りに時間をかけて一冊の本を読めば、一冊で何十冊もの本を読むのに匹敵する深い体験が得られること必至。

(PHP研究所 680円+税)

「現役東大生が選ぶいま読むべき100冊」 西岡壱誠著

 本は活用する人次第で、いい本にも悪い本にもなると断言する東大書評誌編集長の著者が、活用することで自分の世界を変え得る本として100冊を厳選。偏差値35から読書で東大に入学した自身の体験を踏まえつつ、生き方を見つめ直す現代小説、人の心を知るための漫画、想像力を高めるためのライトノベルなど、10の切り口からお薦め本を紹介している。

 たとえば、これからの時代を生き抜く教養を得る実用・教育本として紹介されているのが、「会計の世界史」(田中靖治著 日本経済新聞社)。500年間に起こった会計にまつわる出来事を9つの革命と位置付け、物事の意外な関連性に言及しながら経済の動きを読み解く本らしい。断片的な知識がつながる本当の学びができる本として、東大受験生にもイチ押しとのこと。

(光文社 1400円+税)

「本をどう読むか」 岸見一郎著

「嫌われる勇気」などの著書でも有名な著者が、自身の読書体験を振り返りながら、本の読み方や本と人生の関わりをつづったのがこの本。読書をカウンセリングの仕事での経験と重ねながら、「著者との対話」として定義しているのが興味深い。

 カウンセリングの際に、ただ話を聞くだけでなく、この人はなぜ今この話をしたのか、次はどんな話になるのかと推測しながら耳を傾けるのと同様、本を読む際にも、文字をただ追うのではなく、対話をするごとく、どこかに矛盾がないか、大切なことに言及していないのではないか、間違ったことを主張していないかと問いかけながら読んでみる。

 こうした読み方は、自分とは違う他者とのつながりを見いだすカギにもなるという。人を幸せにする本の力を再発見させてくれる一冊だ。

(ポプラ社 800円+税)

「愛読の方法」 前田英樹著

 本を読めば読むほど、賢くなれるような気分になるが、本を読む動機に賢く見せたいという見えが混じれば、読書は人を愚かにする行為になる。書かれたものを軽々しく信じ、本当は何も知らないのに見かけだけは博識家のようになって、うぬぼれが大きくなりかねないのが読書という行為の怖いところだからだ。本書は、そんな書かれた言葉がもたらす害について、プラトンや中島敦らの言説に触れつつ、そんな害から逃れる方法はないのかという問いを投げかける。

 ショーペンハウエル、アラン、伊藤仁斎、本居宣長ら、読書を探求した先人の思索を掘り下げながら、情報伝達の言葉や消費される本とは異なる、時代を超えて少数の読者に連綿と愛読されてきた、魂を養う優れた本と出合うことの意義を、改めて伝えている。

(筑摩書房 760円+税)

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