「『面白い』のつくりかた」佐々木健一著

公開日: 更新日:

 常に「面白い」を求めて走り続けるテレビ業界に身を置く著者は、そもそも「面白い」とは何かを問い続け、ある結論に至った。それは面白いとは「“差異”と“共感”の両輪である」ということだ。差異とは、われわれがラグビーワールドカップで味わったように「勝てないと思っていたのに、勝っちゃった」といった、予想・想像とは異なる結果への「驚き」や「ギャップ」「意外性」「落差」だという。

 一方、共感とは「“元々の自分”を前提として、相手の中に“自分の一部”を見出すこと」。この相反する概念が共存することで深い共感が得られるのだという。その他、どうしたら新しい企画やアイデアが生まれるのか、取材(=学び)とは何かなど。話題の番組を生み出してきたその発想術を惜しげもなく公開。

(新潮社 760円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 2

    農水省ゴリ押し「おこめ券」は完全失速…鈴木農相も「食料品全般に使える」とコメ高騰対策から逸脱の本末転倒

  3. 3

    TBS「ザ・ロイヤルファミリー」はロケ地巡礼も大盛り上がり

  4. 4

    維新の政権しがみつき戦略は破綻確実…定数削減を「改革のセンターピン」とイキった吉村代表ダサすぎる発言後退

  5. 5

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  1. 6

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  2. 7

    粗品「THE W」での“爆弾発言”が物議…「1秒も面白くなかった」「レベルの低い大会だった」「間違ったお笑い」

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  5. 10

    巨人阿部監督の“育成放棄宣言”に選手とファン絶望…ベテラン偏重、補強優先はもうウンザリ