「男が介護する」津止正敏著

公開日: 更新日:

 家族を自宅で介護するのは、女性の役割という社会通念が長い間、日本人に刷り込まれてきた。しかし、今や主たる介護者の3人に1人は男性で、その数は100万人を超えるという。そうした変化は、社会に受け入れられつつあるが、介護者である夫や息子から被介護者への虐待や介護心中などの悲劇も増加。その背景には、日々の介護に、不慣れな家事全般が加わるとともに、それまで仕事中心だったゆえの孤立化がある。

 さらに、仕事か介護かの二者択一を迫られた結果、介護離職によって経済的基盤と将来の希望が奪われていく。

 本書は当事者たちの実態を豊富なエピソードとともに紹介しながら、大介護社会到来に備え、仕事と介護が両立できる社会の実現を提言する。

(中央公論新社 902円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    さすがチンピラ政党…維新「国保逃れ」脱法スキームが大炎上! 入手した“指南書”に書かれていること

  2. 2

    国民民主党の支持率ダダ下がりが止まらない…ついに野党第4党に転落、共産党にも抜かれそうな気配

  3. 3

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  4. 4

    来秋ドラ1候補の高校BIG3は「全員直メジャー」の可能性…日本プロ野球経由は“遠回り”の認識広がる

  5. 5

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  1. 6

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  2. 7

    小林薫&玉置浩二による唯一無二のハーモニー

  3. 8

    脆弱株価、利上げ報道で急落…これが高市経済無策への市場の反応だ

  4. 9

    「東京電力HD」はいまこそ仕掛けのタイミング 無配でも成長力が期待できる

  5. 10

    日本人選手で初めてサングラスとリストバンドを着用した、陰のファッションリーダー