「怪しくて妖しくて」阿刀田高著

公開日: 更新日:

 ある日、仕事で松本に出掛けた「私」は、あずさ号で帰路に就く。甲府から乗車してきたすてきな帽子をかぶった女性客が隣席に座った。事故で電車が止まり、私は彼女を誘い私鉄に乗り換える。彼女は、私が持っていたチラシに興味を示し、一緒に古い映画の上映会に出掛けることになった。

 小泉八雲の怪談を原作にしたそのオムニバス映画を見た後も、私から誘って佐藤洋子と名乗った彼女と何度かコーヒーや食事をともにする。洋子は私生活についてあまり話さないが、自宅で帽子を作っていると話し、いつも帽子をかぶっている。しかし、ある日を境に洋子と全く連絡が取れなくなってしまった。私は少ない情報をもとに彼女の行方を追う。(「黒髪奇談」)

 短編の名手によるミステリアスな12編。

(集英社 990円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁は疑惑晴れずも日曜劇場「キャスター」降板回避か…田中圭・妻の出方次第という見方も

  2. 2

    紗栄子にあって工藤静香にないものとは? 道休蓮vsKōki,「親の七光」モデルデビューが明暗分かれたワケ

  3. 3

    「高島屋」の営業利益が過去最高を更新…百貨店衰退期に“独り勝ち”が続く背景

  4. 4

    「たばこ吸ってもいいですか」…新規大会主催者・前澤友作氏に問い合わせて一喝された国内男子ツアーの時代錯誤

  5. 5

    かつて控えだった同級生は、わずか27歳でなぜPL学園監督になれたのか

  1. 6

    永野芽郁×田中圭「不倫疑惑」騒動でダメージが大きいのはどっちだ?

  2. 7

    佐々木朗希「スライダー頼み」に限界迫る…ドジャースが見込んだフォークと速球は使い物にならず

  3. 8

    第3の男?イケメン俳優が永野芽郁の"不倫記事"をリポストして物議…終わらない騒動

  4. 9

    風そよぐ三浦半島 海辺散歩で「釣る」「食べる」「買う」

  5. 10

    永野芽郁がANNで“二股不倫”騒動を謝罪も、清純派イメージ崩壊危機…蒸し返される過去の奔放すぎる行状