「応仁悪童伝」木下昌輝著

公開日: 更新日:

 殺人のぬれぎぬを着せられて逃げてきたお輪と一若の姉弟は、村人たちに追われて離れ離れになってしまった。なんとか逃げ延びた一若は、堺の慈済寺に逃げ込み、中稚児となった。この寺は中稚児に能や連歌などの芸事を教え込み、諸国を放浪する芸人に育てている。素質がないと下稚児となり、僧侶たちの慰みものにされる。

 同い年の熒(けい)は高貴な家の生まれで、高僧の世話をする上稚児だったが、父に見捨てられ、稚児潅頂(かんじょう)を受けることに。妖しい美貌の持ち主である熒を犯そうとした僧侶を短刀で刺殺し、一若と2人で逃げ出すが……。

 己の知恵や美貌を武器に乱世を生き抜く2人の少年を描く。

(角川春樹事務所 1800円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “芸能界のドン”逝去で変わりゆく業界勢力図…取り巻きや御用マスコミが消えた後に現れるモノ

  2. 2

    落合博満さんと初キャンプでまさかの相部屋、すこぶる憂鬱だった1カ月間の一部始終

  3. 3

    渡辺謙63歳で「ケイダッシュ」退社→独り立ちの背景と21歳年下女性との再々婚

  4. 4

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  5. 5

    米価高騰「流通悪玉論」は真っ赤なウソだった! コメ不足を招いた農水省“見込み違い”の大罪

  1. 6

    大阪万博は鉄道もバスも激混みでウンザリ…会場の夢洲から安治川口駅まで、8キロを歩いてみた

  2. 7

    悠仁さま「9.6成年式」…第1子出産の眞子さん、小室圭さんの里帰りだけでない“秋篠宮家の憂鬱”

  3. 8

    参政党議員「初登院」に漂った異様な雰囲気…さや氏「核武装」に対しゼロ回答で現場は大混乱

  4. 9

    ダルビッシュの根底にある不屈の反骨精神 “強いチームで勝ちたい大谷”との決定的な違い

  5. 10

    悠仁さま「友人とガスト」でリア充の一方…警備の心配とお妃候補との出会いへのプレッシャー