「あたしたち、海へ」井上荒野著

公開日: 更新日:

 中2の有夢と瑤子は、休日、自転車で海が住んでいるはずの町に向かう。幼馴染みで親友だった3人は、私立の女子中学校に進学。しかし、1年前のマラソン大会を機に、クラスを仕切っていたルエカに逆らった海はいじめに遭い、転校を余儀なくされたのだ。ルエカに逆らえない有夢と瑤子は、海の家と通う学校を突き止めるために、意に反して、海の住む町まで遠征する。

 夏休みに入り、有夢らの担任の奈緒は、生徒の皐月から1枚のビラを見せられる。ルエカがしていることに、うすうすは気づいていた奈緒だが、それがまだ終わっていなかったことを知る。

 大人の前では明るく振る舞いながら、今にも壊れそうな心を抱え、過酷な日々を送る少女たちの現実を描く長編小説。

(新潮社 649円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁の「清純派枠」を狙うのは"二股不倫報道”の田中圭と同じ事務所の有望株という皮肉

  2. 2

    気持ち悪ッ!大阪・関西万博の大屋根リングに虫が大量発生…日刊ゲンダイカメラマンも「肌にまとわりつく」と目撃証言

  3. 3

    橋本環奈『天久鷹央の推理カルテ』コア視聴率も低迷…パワハラ報道前からあった"上げ底人気"疑惑

  4. 4

    趣里と三山凌輝に結婚報道…“希代のワル”羽賀研二を彷彿とさせる男の登場に水谷豊どうする?

  5. 5

    慶応幼稚舎の願書備考欄に「親族が出身者」と書くメリットは? 縁故入学が横行していた過去の例

  1. 6

    ベッキー不倫騒動が教訓 LINEはこうして筒抜けになる

  2. 7

    自民“裏金議員”西田昌司氏が沖縄戦に許しがたいイチャモン…次期参院選に推薦した公明は真っ青

  3. 8

    上智大は合格者の最大40%も…2021年から急増した「補欠合格」の現状

  4. 9

    人間の脳内のマイクロプラスチック量は「使い捨てスプーン」サイズ…8年前より1.5倍に増えていた

  5. 10

    嵐「解散ビジネス」で荒稼ぎの皮算用…総売り上げは500億に? 2026年5月に活動終了