「小説家の四季 1988-2002」佐藤正午著

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 故郷の長崎県佐世保を拠点にする人気作家が、1年に4編、季節ごとに現在まで35年にわたってつづり続けてきたライフワーク的エッセーの集成。

 初回が書かれた1988年の春、著者は32歳。佐世保の港が見えるビルの7階を仕事場兼自宅にしている。一人暮らしで、誰にも気兼ねをせずに明け方に眠り、昼過ぎに起きて執筆するという日々。一緒に暮らす相手がいないのは寂しいと思わぬでもないけど、かまってくれる女性と独りきりの気ままな暮らしの2つは両立しない。だから一人暮らしの平穏を選択しているのだが、母が突然、見合い話を持ち込んできた。

 本書には第1期分としてこの初回から15年分を収録。07-15年分を収録した第2期も刊行中。

(岩波書店 1232円)


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