「わたしの心のレンズ」大石芳野著

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 国内外の紛争地や被災地で、戦禍や大災害に見舞われた人々を取材、撮影してきたドキュメンタリー写真家のエッセー。

 コロナ禍によって「失業」状態に陥る中、かつて読んだ本を再読する日々。その一冊「ペスト」(カミュ著)には、若い頃に感じた哲学的思想というよりは、むしろドキュメンタリーのような側面を感じたという。写真家として、現実に打ちのめされそうになりながら取材を重ねた多くの体験を経て、読み方や感じ方が変化したのかもしれないと思い至る。

 一方で、アフガニスタンの街はずれの工場でドラム缶を叩いていた少年や、スーダンの路上で靴磨きをしていた少年など、戦乱に巻き込まれた人々との出会いを振り返り、差別や本当の共生・共存について考えをめぐらす。

(集英社インターナショナル 990円)


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