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柚月裕子

1968年、岩手県生まれ。2008年「臨床真理」で第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、デビュー。2013年「検事の本懐」で第15回大藪春彦賞、2016年に「孤狼の血」で第69回日本推理作家協会賞受賞。著書に「慈雨」「盤上の向日葵」など多数。

第二話 立場的にあり得ない(36)怜矢が陸に言い放ったひと言が

公開日: 更新日:
イラスト・大野博美

 遠くを見ていた怜矢が、由奈に目を向けた。その眼差しに、由奈は息を飲んだ。怜矢の目は潤みを帯びている。

 由奈はたまらず、下を向いた。さきほど怜矢が由奈に向けて言った、それなら俺も生きている資格はない、という言葉の意味がいまならわかる。あの日──陸が自殺する前日に、怜矢が陸… 

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