著者のコラム一覧
柚月裕子

1968年、岩手県生まれ。2008年「臨床真理」で第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、デビュー。2013年「検事の本懐」で第15回大藪春彦賞、2016年に「孤狼の血」で第69回日本推理作家協会賞受賞。著書に「慈雨」「盤上の向日葵」など多数。

第二話 立場的にあり得ない(38)手首を切るとほっとするの

公開日: 更新日:
イラスト・大野博美

 由奈は、自傷の跡が残っている、自分の手首を見た。

「手首を切ると、これで楽になれるって、そのときはほっとするの。でも、病院のベッドで目が覚めて、横で泣いているお父さんやお母さんを見ると、申し訳ない気持ちでいっぱいになるの。そして、もう二度とこんなことしちゃだめだ、お父さん… 

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