「ネイティヴ・サン」リチャード・ライト著 上岡伸雄訳

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 1930年代、大恐慌下のシカゴで20歳のビッガーは、鬱屈した日々を過ごしていた。

 黒人に生まれ、ありとあらゆる自由を奪われ、自分が何をやりたいのか、何になりたいのかも考えられない。仲間と強盗を繰り返し、感化院に送られたこともある。失業救済策で仕事を与えられるが、気が乗らない。

 新たな強盗計画を練るビッガーだが、ニュース映画を見て気が変わる。ビッガーに仕事を世話してくれるという富豪のドルトン家の娘メアリーが映っていたからだ。約束の時間に面接に行ったビッガーは、ドルトンに運転手として雇われる。その夜、メアリーの運転手を務めたビッガーだが、酔った彼女を誤って殺害してしまう。

 アメリカ文学史上、20世紀最大の問題作といわれる黒人文学の新訳。

(新潮社 1210円)

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