相次ぐ教師による盗撮はなぜ起こるのか…「学校には児童生徒と教師の間に圧倒的な力関係の差がある」
斉藤章佳(精神保健福祉士・社会福祉士・西川口榎本クリニック副院長)
今年6月に発覚した教員グループによる児童盗撮事件は、世の中に衝撃を与えた。「下着姿という秘密を見ることができ優越感や達成感を得ていた」と供述したのは、逮捕されたメンバーの一人だ。グループには10人近くの教員が参加していたとみられ、盗撮画像をSNSで共有していた。このところ、学校内での盗撮事件が相次ぎ、子供の安全への懸念は増すばかり。彼らはなぜ、同意なき撮影という性暴力に手を染めてしまうのか。
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──教師による盗撮は、これほど多かったのでしょうか。
たしかに、先生が児童生徒を盗撮するという事案は以前からあったものの、ここまで注目されることはありませんでした。実際、教員による児童生徒へのわいせつ事案自体は、盗撮に限らず年々増えています。文科省によると、2023年度の性犯罪・性暴力に関する懲戒処分などの事例は320件で、過去最多となっています。最近では、子供が子供を盗撮するという事案も急激に増えている。スマートフォンが普及した影響は大きく、当クリニックが昨年10月に開院してからのデータでは、性加害に関する相談のおよそ6割が盗撮です。
──盗撮は依存症としての側面も指摘されています。
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