「無用の効用」ヌッチョ・オルディネ著 栗原俊秀訳

公開日: 更新日:

「無用の効用」ヌッチョ・オルディネ著 栗原俊秀訳

 今の社会では人文学のような利潤を生まない知識を「役立たず」ととらえがちだが、著者は「知ること」そのものが目的であるような知識がどう「役に立つ」のかを明らかにしようとしている。

 たとえば、あのドン・キホーテこそ「役に立たない」ことの英雄である。彼の行動は「無私の精神」から来ているが、失敗することが分かっている試みであっても、勇気をもって取り組まなくてはならないことを教えている。この世には、遠い未来に偉大なものをもたらす可能性をもつ「栄光に輝く敗北」があるのだから。

 ほかに、ヘルツの電磁波の研究がラジオの発明につながったなど、一見、無用に見えるものの価値について考察した一冊。

(河出書房新社 2475円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ前監督・吉井理人氏が佐々木朗希を語る「“返事もしなかった頃”から間違いなく成長しています」

  2. 2

    ロッテ前監督・吉井理人氏が大谷翔平を語る「アレを直せば、もっと良く、170kmくらい投げられる」

  3. 3

    矢沢永吉ライブは『永ちゃんコール』禁止で対策も…B'z『客の大熱唱』とも通じる“深刻な悩み”

  4. 4

    菊池風磨のカウコン演出に不満噴出 SNS解禁でSTARTO社の課題はタレントのメンタルケアに

  5. 5

    阿部監督のせい?巨人「マエケン取り失敗」の深層 その独善的な振舞いは筒抜けだった

  1. 6

    巨人ドラ1岡本和真 本塁打1本「小遣い1万円」に祖父母悲鳴

  2. 7

    「将軍 SHOGUN」シーズン2も撮影開始 2026年は柄本明、平岳大ら海外進出する日本人俳優に注目

  3. 8

    辰己涼介は楽天残留が濃厚 ソフトバンク東浜巨らFA行使“残り物”たちの気になる行方

  4. 9

    新大関・安青錦に追い風? 八角理事長が看破した横綱・大の里「左肩回復遅れ」

  5. 10

    ブルージェイズ岡本和真に「村上宗隆の2倍」の値段がついたカラクリ