公開日: 更新日:

「かみきこうち」神木隆之介著

 連続ドラマで主人公の槙野万太郎役を務める著者が、舞台のひとつ、高知県を訪ね、その魅力を伝える紀行ガイド。

 まずは香美市を拠点に1次産業再生の取り組みを続けるデザイナーの梅原真氏を訪ね、対談。

 カツオの1本釣りの漁師の訴えから生まれた「藁焼きたたき」や、四万十の放置されていた栗林を再生して売り出した地栗など。自ら手掛けた品々のエピソードとともに高知の底力を聞く。氏いわく、高知は「お金はないけど、底抜けに明るい」土地と人柄だという。

 続いて県立牧野植物園では子ども観光大使の川本琉楓さんから牧野博士の生涯について教わる。

 植物園の展示室で出合ったステキな土佐和紙の照明。その製作者のオランダ人、ロギール・アウテンボーガルト氏に会いに行き、紙すきも体験。

 ほかにも、ゆず栽培が盛んな馬路村の農業協同組合の長野桃太さんや柏島で「海の牧野植物園」づくりに励む魚類学者の神田優氏、96歳の郷土料理研究家・松﨑淳子さんに教わり「土佐寿司」を作るなど。自ら体験した高知の人・モノ・場所を紹介。

(NHK出版 2090円)

【連載】好奇心発動!天真らんまんな「牧野富太郎本」特集

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  2. 2

    中学受験で慶応普通部に進んだ石坂浩二も圧倒された「幼稚舎」組の生意気さ 大学時代に石井ふく子の目にとまる

  3. 3

    さすがチンピラ政党…維新「国保逃れ」脱法スキームが大炎上! 入手した“指南書”に書かれていること

  4. 4

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  5. 5

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  1. 6

    中日からFA宣言した交渉の一部始終 2001年オフは「残留」と「移籍」で揺れる毎日を過ごした

  2. 7

    有本香さんは「ロボット」 どんな話題でも時間通りに話をまとめてキッチリ終わらせる

  3. 8

    巨人は国内助っ人から見向きもされない球団に 天敵デュプランティエさえDeNA入り決定的

  4. 9

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  5. 10

    佐藤輝明はWBC落選か? 大谷ジャパン30人は空前絶後の大混戦「沢村賞右腕・伊藤大海も保証なし」