「生きるために読む死の名言」伊藤氏貴著

公開日: 更新日:

「生きるために読む死の名言」伊藤氏貴著

「私の時間は泣いているのに私の時計は笑っている」(「きけ わだつみのこえ」から)

 これは第2次大戦で、ミャンマーで行方不明になった27歳の陸軍中尉、武井脩が残した言葉。自分は若いのに残された時間は限りなく短い。時計の針が動くごとに自分の命が削られてゆくことを見つめていたのだ。

「ともすれば死ぬことなどを言ひ給ふ恋もつ人のねたましきかな」(「踏絵」から)

 歌人、柳原白蓮は2度も意に沿わぬ結婚を強いられ、恋をしている人を妬む歌を詠んだ。同じ苦しみでも、好きでもない男との結婚生活の苦しみより、愛する人と添い遂げられない苦しみを希求していたのだ。

 99人が残した「死」についての名言。 (ダイヤモンド社 1650円)




最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元横綱・三重ノ海剛司さんは邸宅で毎日のんびりの日々 今の時代の「弟子を育てる」難しさも語る

  2. 2

    矢沢永吉&甲斐よしひろ“70代レジェンド”に東京の夜が熱狂!鈴木京香もうっとりの裏で「残る不安」

  3. 3

    巨人・岡本和真を直撃「メジャー挑戦組が“辞退”する中、侍J強化試合になぜ出場?」

  4. 4

    “最強の新弟子”旭富士に歴代最速スピード出世の期待…「関取までは無敗で行ける」の見立てまで

  5. 5

    “文春砲”で不倫バレ柳裕也の中日残留に飛び交う憶測…巨人はソフトB有原まで逃しFA戦線いきなり2敗

  1. 6

    【独自】自維連立のキーマン 遠藤敬首相補佐官に企業からの違法な寄付疑惑浮上

  2. 7

    物価高放置のバラマキ経済対策に「消費不況の恐れ」と専門家警鐘…「高すぎてコメ買えない」が暗示するもの

  3. 8

    福島市長選で与野党相乗り現職が大差で落選…「既成政党NO」の地殻変動なのか

  4. 9

    Snow Manライブで"全裸"ファンの怪情報も…他グループにも出没する下着や水着"珍客"は犯罪じゃないの?

  5. 10

    今の渋野日向子にはゴルフを遮断し、クラブを持たない休息が必要です