「『忘れられた日本人』の舞台を旅する」木村哲也著

公開日: 更新日:

「『忘れられた日本人』の舞台を旅する」木村哲也著

 民俗学者の宮本常一(1907~81)の著作「忘れられた日本人」に衝撃を受け、その足跡をたどった旅の記録。

 始まりは1993年5月、宮本の故郷であり、その民俗学の原点である山口県周防大島から。氏の故郷を歩き、お墓参りをするのが目的だ。節約しながらの旅は野宿が基本。雨が降るその日も現地についてまず野宿ができそうな神社に荷物を下ろし、食料を買いに行った店で宮本家の墓参りにきたと告げると、店の裏に生家があり、息子夫婦が住んでいるという。挨拶に行くと、応対してくれたのはなんと常一の夫人のアサ子さんだった。

 以降、自らの故郷でもある高知や、長崎県対馬など、著作に登場する10カ所を訪ね歩き、宮本が会った人やその縁故者らに話を聞く。 (河出書房新社 1078円)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人・田中将大「巨大不良債権化」という現実…阿部監督の“ちぐはぐ指令”に二軍首脳陣から大ヒンシュク

  2. 2

    ヘイトスピーチの見本市と化した参院選の異様…横行する排外主義にアムネスティが警鐘

  3. 3

    国民民主党「新人都議」に渦巻く“スピリチュアル疑惑”…またも露呈した候補者選定のユルユルぶり

  4. 4

    巨人・田中将大を復活させる「使い方」…先発ローテの6番目、若手と併用なんてもってのほか

  5. 5

    「時代に挑んだ男」加納典明(25)中学2年で初体験、行為を終えて感じたのは腹立ちと嫌悪だった

  1. 6

    高橋真麻がフジ港浩一前社長、大多亮元専務を擁護の赤っ恥…容姿端麗な女性集めた“港会”の実態知らず?

  2. 7

    参院選「自民裏金議員15人」で当確5人だけの衝撃情勢…比例は組織票があっても狭き門

  3. 8

    ドジャースが欲しがる投手・大谷翔平の「ケツ拭き要員」…リリーフ陣の負担量はメジャー最悪

  4. 9

    井上真央ようやくかなった松本潤への“結婚お断り”宣言 これまで否定できなかった苦しい胸中

  5. 10

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?