「灯台へ」ヴァージニア・ウルフ著、鴻巣友季子訳

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「灯台へ」ヴァージニア・ウルフ著、鴻巣友季子訳

 作品ごとに実験的な手法を取り入れ、文学史を塗り替えてきた20世紀の女性作家の代表作のひとつ。とある一家の1日とその10年後の1日、その2日間を描く。

 哲学者のラムジー一家は、スコットランドのスカイ島の別荘に滞在。夫人は、8人の子どもたちの世話に加え、夫の友人のバンクスや、夫を崇拝する後輩のタンズリー、画家のリリーら大勢の滞在客らにも目配りをしなければならない。

 一家は、まだ幼い末っ子のジェイムズのたっての希望で翌日に海を渡り、近くの灯台がある小島に行く予定だ。

 しかし、ラムジーは楽しみにするジェイムズの希望を砕くように明日は天気が崩れるので無理だろうと容赦ないことばを放つ。そんな直截な夫の物言いが夫人は気に入らない。 (新潮社 935円)

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