「酒場での十夜」T・S・アーサー著 森岡裕一訳

公開日: 更新日:

「酒場での十夜」T・S・アーサー著 森岡裕一訳

 10年前、商用でシーダヴィルという村で一晩過ごすことになった「わたし」は、開業したばかりの「鎌と麦束亭」という宿屋に投宿する。主人のサイモンは善良そうな男で、16歳くらいの娘・フローラと息子のフランクも礼儀正しく、申し分ない人生を送っているように見える。しかし、わたしはサイモンが娘や息子を宿屋に併設した酒場に立たせ、客の相手をさせていることに危惧を抱く。サイモンの妻の作った料理を堪能した後、酒場に行くと、村の名士のハモンド判事の息子や滞在客らが酒を飲んでいた。やがて酒場で一悶着がおき、私はますますサイモン一家の行く末が心配になる。案の定、1年後に再訪すると一家に変化が起きていた。

 19世紀の禁酒小説を代表する名作の初文庫化。

(KADOKAWA 1100円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    冷静になれば危うさばかり…高市バブルの化けの皮がもう剥がれてきた

  2. 2

    すい臓がんの治療が成功しやすい条件…2年前に公表の日テレ菅谷大介アナは箱根旅行

  3. 3

    歪んだ「NHK愛」を育んだ生い立ち…天下のNHKに就職→自慢のキャリア強制終了で逆恨み

  4. 4

    高市首相「午前3時出勤」は日米“大はしゃぎ”会談の自業自得…維新吉村代表「野党の質問通告遅い」はフェイク

  5. 5

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  1. 6

    「戦隊ヒロイン」ゴジュウユニコーン役の今森茉耶 不倫騒動&未成年飲酒で人気シリーズ終了にミソ

  2. 7

    維新・藤田共同代表に自民党から「辞任圧力」…還流疑惑対応に加え“名刺さらし”で複雑化

  3. 8

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  4. 9

    志茂田景樹さんは「要介護5」の車イス生活に…施設は合わず、自宅で前向きな日々

  5. 10

    NHK大河「べらぼう」に最後まで東洲斎写楽が登場しないナゼ?