「外道の細道」町田康著

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「外道の細道」町田康著

 作家のマーチダは、絶望的な気分でロサンゼルス行きの飛行機に乗り込む。きっかけは知人の番組制作会社の社長からの旅番組への出演依頼の電話だった。普段なら即座に断るが、長幼の序を尊重してつい引き受けてしまう。すべてはそれが失敗だった。打ち合わせに現れたプロデューサーの蟇目とディレクターの稲村は、典型的なテレビ業界の人で何から何まで話が合わない。

 やはり断るべきだと決めたそのとき、稲村がチャールズ・ブコウスキーの名を出してきた。マーチダが最近、気になっている作家だ。結局、彼らに丸め込まれ、ブコウスキーの縁の地を巡る旅に出ることになってしまったのだ。

 テレビ業界の外道とともに旅に出たマーチダの憤りとてんやわんやを描く実録ロード小説。 (河出書房新社 1320円)


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