リアルに鋭く迫る「オンナの小説」特集
「らんたん」柚木麻子著
楽しそうにおしゃべりしているかと思うと腹の探り合いがあったり、喧嘩をしているように見えても男が入り込めないほどの強い絆があったりと、外側からうかがい知れないのが女同士の世界。長年の謎を解きたいなら、女が主役の小説はいかが? 今回は、弱くてもたくましく、愛しくもリアルな女性が主役の小説を4冊ご紹介!
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「らんたん」柚木麻子著
一色乕児は、見合い相手の渡辺ゆりに一目ぼれしてプロポーズした。ゆりの結婚の条件は、シスターフッド(女性同士の連帯)として絆を結んだ河井道を含めた3人で暮らすこと。仰天した乕児は、教師と生徒の間柄だったふたりが、なぜ強い絆を結ぶことになったのかを尋ねるのだが……。
津田梅子の元で学び、女子教育に尽力した河井道の生涯を描いた女性版大河小説。物語には、平塚らいてう、大杉栄、伊藤野枝、神近市子、有島武郎、大山捨松、広岡浅子、新渡戸稲造、野口英世などの有名人が登場する。
日本には妻と母と娘はいても人間としての女がいないと気づいた河井道がどのように生きたのか。男中心の伝記には書かれない、女が直面する障壁と、それを乗り越えようと奮闘した女たちの歴史がリアルに描かれている。
(新潮社 1210円)

















