リアルに鋭く迫る「オンナの小説」特集
「神に愛されていた」木爾チレン著
「神に愛されていた」木爾チレン著
若くして小説家デビューを果たし、一度は人気作家と呼ばれたものの、あるとき突然筆を折り、30年もの間小説を書くことをやめていた東山冴理のもとに、四条花音という編集者が執筆依頼のためにやってきた。今の冴理にしか書けないものを書いてほしいと粘る花音に対して、冴理はあることをきっかけに殺意までをも抱いた後輩作家・白川天音との因縁の出来事を話し始める……。
高校時代の文芸部の先輩・後輩であり、同じ京都大学の卒業生であり、共に若くして作家デビューを果たした2人の女性作家の複雑な関係性が、編集者の登場をきっかけに長いときを経て掘り起こされる。羨望や嫉妬を抱えてきた過去を振り返る冴理が、全く知らなかった驚愕の真実とは何か。すれ違ってしまった、冴理と天音の思いが切ない。
(実業之日本社 891円)



















