「福島モノローグ」いとうせいこう著

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「福島モノローグ」いとうせいこう著

 東日本大震災の被災地に通い続ける作家が、震災と津波、原発事故の被害に苦しみながら生きる福島の人々の生の声に耳を傾けた聞き書き集。

 その男性は、原発事故で住民たちが避難した後に取り残され、野生化した牛たちを保護。帰還困難区域に指定された福島県大熊で、地主の許可を得た耕作放棄地に放牧している。

 震災後に放置された牛たちの惨状、今その牛たちが除染されていない耕作放棄地の草を食べ、糞をすることで放射線量が下がっている事実、そんな牛たちへの偏見、そして新たな取り組みまで、ただ牛を助けたいとの一心で動いてきたその軌跡が語られる。

 ほかにも、震災時に4人目を身ごもっていた母親や避難所でラジオ局を始めた女性など、市井の人々が15年前のあの日からのことを振り返る。 (河出書房新社 990円)

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