「グレイの森」水野梓著
「グレイの森」水野梓著
精神科クリニックで働く臨床心理士の藍は、私立小学校の教諭・由香に頼まれ、身分を隠し、不登校中の6年生の綾香の家庭教師をすることに。両親が干渉を嫌い、由香には対処できないらしい。初日、藍は綾香のリストカットの痕跡に気づく。やがて綾香の弟が小学校で児童が無差別に殺傷された事件の犠牲者だと知る。綾香は弟の死、犯人への怒りで娘を思うゆとりがない両親、学校での孤立で崩壊寸前だった。
同じころ、女性がクリニックに藍を訪ねてくる。以前、街中で倒れたその女性を介抱した折に、見かねて名刺を渡していたのだ。聡美と名乗るその女性は、藍に小学校受験に失敗した息子のことを延々と話し始める。
事件によって崩壊した家族の心の声に耳を傾ける臨床心理士を主人公に描く社会派小説。 (徳間書店 990円)


















