「どんぶらこ」いとうせいこう著

公開日: 更新日:

〈わし〉は樹脂でできた桃色のものに入れられて川を流れていく。どんぶらこ、どんぶらこ……。子どものためにこの話を考えた83歳の〈俺〉は妻と2人で暮らしている。ローンを払い終えた千葉の一戸建ての家を手放して、息子にすすめられた「サービス付き高齢者用住宅」に引っ越すことを決意する。

 便利屋に依頼して、ヘラブナ専用の釣り竿、妻の晴れ着など家財一切を引き取ってもらったが、「15万3000円」にしかならなかった。一方、51歳の娘Sは、夜中にピンク色のトランクを川に流した。(「どんぶらこ」)

 無残な現実と、信州弁で語られる架空の物語が入れ子構造で展開する、残酷な現代の日本昔ばなし。表題作ほか2編。

 (河出書房新社 1650円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    《タニマチの同伴女性の太ももを触ったバカ》を2発殴打…元横綱照ノ富士に大甘処分のウラ側

  2. 2

    日本ハムは「自前球場」で過去最高益!潤沢資金で球界ワーストの“渋チン球団”から大変貌

  3. 3

    高市首相が天皇皇后のお望みに背を向けてまで「愛子天皇待望論」に反対する内情

  4. 4

    年内休養の小泉今日子に「思想強すぎ」のヤジ相次ぐもファンは平静 武道館での“憲法9条騒動”も通常運転の範囲内

  5. 5

    新庄監督にガッカリ…敗戦後の「看過できない発言」に、日本ハム低迷の一因がわかる気がした

  1. 6

    『SHOGUN 将軍』シーズン2撮影中の榎木孝明さん「世界的な時代劇映画のプロデュースに関わりたい」

  2. 7

    横綱・豊昇龍が味わう「屈辱の極み」…大の里・安青錦休場の5月場所すら期待されないトホホ

  3. 8

    和久田麻由子アナがかわいそう…元NHKエースアナを次々使い潰す日テレの困った“体質”

  4. 9

    あの細木数子をメロメロにさせて手玉に…キックボクサー魔裟斗のシタタカさ

  5. 10

    細木数子と闘った作家・溝口敦氏は『地獄に堕ちるわよ』をどう見たか? “女ヤクザ”の手口と正体