「霊界の書」DK社編 黒川正剛監修 和田侑子、小林豊子、涌井希美訳

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「霊界の書」DK社編 黒川正剛監修 和田侑子、小林豊子、涌井希美訳

 死を迎えた人が、幽霊や精霊になるという信仰を持つ文化は世界各地にある。さまざまな文化で、幽霊や精霊は、崇拝されたり、なだめられたり、祈祷で呼び出されたり、追い払われたりしてきた。

 本書は、太古の昔から世界各地で語り継がれてきた幽霊や精霊など「目に見えない」事象と人との関わりを解説する歴史ビジュアルテキスト。

 死者の遺体を敬ったり、死後にもその人の本質の一部が残ると信じている点で、人類は他の生物と一線を画している。

 意図的に死者を埋葬するという行為は、ホモサピエンスが出現するはるか前から行われており、スペインの洞窟からは、穴に埋めた約43万年前の28人の遺体が見つかっているという。

 まずは、こうした死者の埋葬法や、仮面や日本の土偶のような人形などの副葬品、そして埋葬壺などから、先史時代の人々の精霊信仰を読み解いていく。

 さらに冥界を、現実に存在する場所で、地下に広がる色あせた暗黒の世界だと考えていた古代メソポタミア人や、複数種の魂が肉体を超えて存在し、それらにとっては、適切な葬儀の儀式が守られることが重要だと信じていた古代エジプト人など、それぞれの信仰や死生観を解説。

 以降、イスラム教が普及する前のアラビアで広く信じられていたジン(大きな力を持つ超自然的存在)や、ハデス(黄泉の国)に送られた死者の霊魂が自分の「影」として生きると考えた古代ギリシャ人たちなど中世の人々の思想から、現代のゴーストツーリズム(「幽霊が出る」とされる場所に行くこと)まで。

 世界中の文化に驚くほど多様に存在する幽霊や精霊など、「超自然のものたち」がいかにして人々を楽しませ、教育してきたのかを教えてくれる。 (グラフィック社 4400円)

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