安直グルメ番組へのアンチテーゼ 「妄想ニホン料理」の魅力

公開日: 更新日:

 チープな料理番組やB級タレントのグルメリポートには、もうウンザリだが、NHKの「妄想ニホン料理」(土曜午後11時30分~)は一見の価値アリだ。切り口が新しい。

 もしニホン料理を見たことがない海外の料理人が、簡単なヒントだけを頼りに作ったら、どんなものが出来上がる? という実験的な料理バラエティーなのだが、これがなかなか面白い。

 例えば、11日放送回のお題は「軍艦巻き」。ヒントは「軍艦のロールである」「崩れやすい、デリケートな食べ物」「日本のお店では大艦隊が出現する」の3つ。挑んだのはイギリスとスペインの料理人で、ヒントをもとに妄想を膨らませ、地元の食材を使い、自由な発想で新しい料理を作っていく……という“異文化交流クッキングバラエティー”だ。

 昨年放送された「カツ丼」の回では、「刑事ドラマで犯人の口を割るのに使う」なんてヒントを出して、わざと料理人を混乱させるような“意地悪”も。

「あるようでなかった番組で、正直『やられた』と思いましたね。番組プロデューサーが旅好きでグルメ好きというのも納得です。文化は違えど、各国の料理人たちの想像力の豊かさとかプライドを感じられるし、どんな料理が出来上がるかとワクワクする。海外のシェフが悩みながらも一生懸命、楽しんで作っている姿を見ていると、不思議と自分でも料理をしたくなるんです。食いしん坊な中年オヤジにはピッタリの番組です」(放送作家)

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 2

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  3. 3

    FNS歌謡祭“アイドルフェス化”の是非…FRUITS ZIPPER、CANDY TUNE登場も「特別感」はナゼなくなった?

  4. 4

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  5. 5

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  1. 6

    兵庫県・斎藤元彦知事らを待ち受ける検察審の壁…嫌疑不十分で不起訴も「一件落着」にはまだ早い

  2. 7

    カズレーザーは埼玉県立熊谷高校、二階堂ふみは都立八潮高校からそれぞれ同志社と慶応に進学

  3. 8

    日本の刑事裁判では被告人の尊厳が守られていない

  4. 9

    1試合で「勝利」と「セーブ」を同時達成 プロ野球でたった1度きり、永遠に破られない怪記録

  5. 10

    加速する「黒字リストラ」…早期・希望退職6年ぶり高水準、人手不足でも関係なし