映画「ローガン」監督が語るR指定へのこだわりと疑問

公開日: 更新日:

 公開中の米映画「LOGAN/ローガン」は、R+15指定(15歳以上の観賞が可能)だ。アメコミ発の「X―MEN」シリーズの一本で、ヒュー・ジャックマン(48)演じる人気のキャラクターが主人公だけに子供の観客も多いだろう。だが、監督のジェームズ・マンゴールド氏(53)は、あえてレーティング(年齢制限)付きの製作にこだわった。全編にわたって激しい暴力シーンとセリフがある。その意図を聞いた。

 ◇  ◇  ◇

 R指定を得られたことで、子供向けに売る必要のない、大人向けの成熟したドラマをつくることができた。これはありがたい話でした。子供向けの作品は、脚本も演出も単純化させ、展開を速くすることが求められます。ファクトをふんだんに入れ、愛らしい犬を登場させたり、映像もカラフルにしなければならない。今作の冒頭では2人のオヤジが自分たちの老化や衰えについて話すシーンが7分間続きますが、仮に子供向けの作品だったら1分半が限界でした。子供には中高年のグチは退屈ですからね。

 今作には少年少女が多く登場します。過去にも「タクシードライバー」のように子役が出演したR指定の良作がありますが、子役が出るからといって全編通して子供目線、子供基準で描く必要はないし、私は(米国の)レーティング制度そのものに偏見があると考えています。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  2. 2

    生田絵梨花は中学校まで文京区の公立で学び、東京音大付属に進学 高3で乃木坂46を一時活動休止の背景

  3. 3

    未成年の少女を複数回自宅に呼び出していたSKY-HIの「年内活動辞退」に疑問噴出…「1週間もない」と関係者批判

  4. 4

    2025年ドラマベスト3 「人生の時間」の使い方を問いかけるこの3作

  5. 5

    2025年は邦画の当たり年 主演クラスの俳優が「脇役」に回ることが映画界に活気を与えている

  1. 6

    真木よう子「第2子出産」祝福ムードに水を差す…中島裕翔「熱愛報道」の微妙すぎるタイミング

  2. 7

    M-1新王者「たくろう」がネタにした出身大学が注目度爆上がりのワケ…寛容でユーモラスな学長に著名な卒業生ズラリ

  3. 8

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  4. 9

    高市政権の積極財政は「無責任な放漫財政」過去最大122兆円予算案も長期金利上昇で国債利払い爆増

  5. 10

    農水省「おこめ券」説明会のトンデモ全容 所管外の問い合わせに官僚疲弊、鈴木農相は逃げの一手