著者のコラム一覧
てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。最新著「王者の挑戦『少年ジャンプ+』の10年戦記」(集英社)、伝説のテレビ演出家・菅原正豊氏が初めて明かした番組制作の裏側と哲学をまとめた著者構成の「『深夜』の美学」(大和書房)が、それぞれ絶賛発売中!

盲目の濱田祐太郎は視野の狭い健常者を「笑い」に変える

公開日: 更新日:

 TBSの「水曜日のダウンタウン」(18年5月2日)では「『箱の中身は何だろな?』得意な芸人№1濱田祐太郎説」が検証された。常に視覚に頼らずに生活している濱田ならば、触覚だけで何かを当てるゲームも強いはずだ、と。

 実際、タケノコや電気ヒゲ剃りを30秒近くで即答。しかし、イグアナには12分以上かかってしまう。なぜなら、一度も触ったことがなかったからだ。そうしたある意味で当たり前の結果にもハッとさせられる。

 障害者をテレビで扱う場合、日本のテレビは「感動」に寄せがちだ。だから、余計にこうしたアプローチは手付かずで新たな“鉱脈”と言えるだろう。ちなみに「感動」路線の代名詞ともいえる「24時間テレビ」(日本テレビ)に出て、健常者と障害者との懸け橋になりたいという思いはあるかと問われると、濱田は「いや、全くないです」と笑って、即答している。

「僕はお笑い芸人なので、懸け橋をするという役割じゃない」(「マイナビニュース」18年3月7日)

 濱田祐太郎は視覚障害者であるが、それは彼を形作るひとつの要素にすぎない。あくまでも彼が目指すのは「笑わす」こと。

「僕は濱田祐太郎としてしゃべっているだけで、視覚障害者代表としてしゃべっているわけではない」(「ハートネットTV」=同前)

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    松井秀喜氏タジタジ、岡本和真も困惑…長嶋茂雄さん追悼試合のウラで巨人重鎮OBが“異例の要請”

  2. 2

    7代目になってもカネのうまみがない山口組

  3. 3

    巨人・田中将大と“魔改造コーチ”の間に微妙な空気…甘言ささやく桑田二軍監督へ乗り換えていた

  4. 4

    福山雅治のフジ「不適切会合」出席が発覚! “男性有力出演者”疑惑浮上もスルーされ続けていたワケ

  5. 5

    打者にとって藤浪晋太郎ほど嫌な投手はいない。本人はもちろん、ベンチがそう割り切れるか

  1. 6

    文春が報じた中居正広「性暴力」の全貌…守秘義務の情報がなぜこうも都合よく漏れるのか?

  2. 7

    DeNA藤浪晋太郎がマウンド外で大炎上!中日関係者が激怒した“意固地”は筋金入り

  3. 8

    収束不可能な「広陵事件」の大炎上には正直、苛立ちに近い感情さえ覚えます

  4. 9

    横浜・村田監督が3年前のパワハラ騒動を語る「選手が『気にしないで行きましょう』と…」

  5. 10

    吉村府知事肝いり「副首都構想」に陰り…大阪万博“帰宅困難問題”への場当たり対応で露呈した大甘な危機管理