事務所社長宅に下宿 高校と芸能界の“二足の草鞋”が始まる

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 まずは大阪弁のなまりをとり標準語に直される日々。そうしながら、ドラマのオーディションを受けた。幸運にも、合格。日本テレビの「家族の晩餐」という連続ドラマのヒロインだった。山城新伍さん、倍賞美津子さん夫婦の娘役。原作者の阿久悠先生が「フレッシュさがいい」と強く推していただいたと聞いて、とても光栄だったけれど、同じくらいかそれ以上の不安が胸を突き上げた。

 上京して2カ月。演技なんて、小学生の学芸会しか経験がない。気弱なモグラの話で、モグラをけしかけるヒヨコの一匹、黄色いトレーナーで「ヒヨコ6」をやった2年のときと、4年のときのロシアの児童文学「森は生きている」くらいだ。

 出演者の顔合わせで、素人は自分だけだった。そして思った。せめて周りの皆さんの迷惑にならないよう、台詞だけはきちんと覚えていこうと。生田スタジオでの収録が始まると、役名の「愛子」をもじって「ラブ子」と呼んでもらい、かわいがってもらえた。お母さん役の倍賞さんには、本当にお母さんのように目をかけていただいた。

「ラブ子、セットに入って、ちょっとやりとりしておこうか」

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