「海老一のご両人がテレビで太神楽を広めた功労者です」

公開日: 更新日:

 傘の上で毬を回すなどの曲芸を太神楽という。その歴史は古く、平安時代には神事芸能として演じられていた。近年では寄席の色物として定着している。その伝統を守る太神楽曲芸協会会長の鏡味仙三郎が、昨年暮れに「太神楽」という本を刊行した。そこで今回は太神楽について、また仙三郎の芸人人生などを語ってもらった。

「現在、協会員は26人ですが、地方で活動している方もいて、江戸太神楽の演者に限ると17人です」

 そのうちのほとんどが都内の寄席に出ている。

「太神楽の原点は神事芸能の中の祝福芸で、寄席では曲芸ばかりですが、本来は獅子舞、曲芸、茶番が3本柱です。獅子舞は正月の風物詩ですから、皆さんご存じでしょう。茶番というのは寸劇で、歌舞伎狂言のパロディーコントみたいなもの。太神楽師は全てできなくてはいけません」

 祝福芸という言葉は私も初めて聞いた。昭和の時代に売れっ子だった海老一染之助・染太郎が曲芸をやりながら、「おめでとうございます」を連呼していたが、祝福芸だから当たり前のことだったのだ。

「海老一のご両人がテレビで太神楽を広めた功労者です。曲芸は、芸をする太夫と口上を述べる後見に分かれます。海老一はその役割がはっきりしてました。芸をする方が『肉体労働』、口上方が『頭脳労働』で、『もらう物(出演料)はおんなじ』と笑わせてました」

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  2. 2

    ドジャース「佐々木朗希放出」に現実味…2年連続サイ・ヤング賞左腕スクーバル獲得のトレード要員へ

  3. 3

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  4. 4

    ギャラから解析する“TOKIOの絆” 国分太一コンプラ違反疑惑に松岡昌宏も城島茂も「共闘」

  5. 5

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  1. 6

    国分太一問題で日テレの「城島&松岡に謝罪」に関係者が抱いた“違和感”

  2. 7

    今度は横山裕が全治2カ月のケガ…元TOKIO松岡昌宏も指摘「テレビ局こそコンプラ違反の温床」という闇の深度

  3. 8

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    大谷翔平のWBC二刀流実現は絶望的か…侍J首脳陣が恐れる過保護なドジャースからの「ホットライン」