大相撲は無観客では成り立たない…プロ野球との決定的違い

公開日: 更新日:

 炎鵬がはじき飛ばされそうになった時の悲鳴のような声援、白鵬が圧倒的強さで勝った時の少しがっかりしたような客席のため息などがないこともあるが、大相撲の観客は単に取組を見物に来た人たちではない。天下太平を祈念する神事でもある相撲を奉納する側の、いわば主役だ。主役がいないのだから、祭りとして成り立っていない。がらんとした観客席の寒々しさは、それだったのだ。

 物言いがつき、審判長の「ただ今の協議についてご説明します」というマイクの声にも、「説明? だれに?」と思わずツッコミを入れたことだろう。

 春場所はあす22日が千秋楽だが、表彰の時の土俵わきの優勝力士インタビューはどうするのか。あれも会場の観客に向けた挨拶とお礼でもあるから、拍手もない中でやるのは奇妙だ。

 安倍首相は「新型ウイルスをアンダーコントロールにする」というが、そんな楽観的な状況ではない。5月の夏場所も無観客になるのではないか。

(コラムニスト・海原かみな)

【写真ギャラリー】無観客開催 大相撲三月場所4日目

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  2. 2

    高市政権の物価高対策はもう“手遅れ”…日銀「12月利上げ」でも円安・インフレ抑制は望み薄

  3. 3

    元日本代表主将DF吉田麻也に来季J1復帰の長崎移籍説!出場機会確保で2026年W杯参戦の青写真

  4. 4

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  5. 5

    京浜急行電鉄×京成電鉄 空港と都心を結ぶ鉄道会社を比較

  1. 6

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  2. 7

    【時の過ぎゆくままに】がレコ大歌唱賞に選ばれなかった沢田研二の心境

  3. 8

    「おまえもついて来い」星野監督は左手首骨折の俺を日本シリーズに同行させてくれた

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾